『Battle Brothers(バトルブラザーズ)』には決まった主人公も一本道の物語もありません。プレイヤーは傭兵団の団長として、毎回違う形に作られる大陸を渡り歩きます。それでも世界の背景はしっかり決まっていて、イベントや契約の会話の端々に顔を出します。この記事では、ゲーム内の文章からその背景を整理しました。
この記事について
| ネタバレ | あり。終盤の危機(不死者の災い・聖戦)の結末に触れています |
|---|---|
| 情報源 | ゲーム内のイベント・契約・野望の文章とスクリプト。日本語の名前と引用は当サイトの日本語化 Mod の訳です |
| 対象バージョン | v1.5.2.3/Steam ビルド 23856902 |
| 日本語対応 | なし(英語のみ)。Battle Brothers 日本語化Modで日本語で遊べます |
北の貴族家と、南の都市国家
大陸の北側は、いくつかの貴族家が分け合って治めています。貴族家どうしはたいてい仲が悪く、終盤の危機「貴族の戦争」では、ついに正面から戦を始めます。危機の始まりを告げるイベントでは、町の広場で触れ役が、両家が話し合って「互いが大嫌いだ」という結論に至ったと叫び、剣を振るえる者なら誰でも雇うと呼びかけます。
南の砂漠には、宰相が治める都市国家があります(DLC「Blazing Deserts」で追加)。北とは信仰も暮らしも違い、闘技場での剣闘や、債務奴隷という身分が当たり前に存在します。債務奴隷は都市国家における事実上の奴隷階級で、雇うのではなく買うものだと、経歴の説明に書かれています。
古き神々、金色の神、ダヴクル
北の人々が信じているのは「古き神々」です。誓約者たちの開祖・若きアンゼルムの言葉にも「古き神々を信じるがごとく、己の盾を信じよ」とあり、北の信仰の中心になっています。
南の都市国家の神は「金色の神」です。宰相たちの台詞には、金色の神のまなざしの下にある土地、という言い回しがよく出てきます。傭兵の一人が「金色の神は火より金がお好みでしょう」と軽口をたたく場面もあり、北の者から見た印象がうかがえます。
この二つの信仰がぶつかるのが、終盤の危機「聖戦」です。争いの的になる聖地は 3 か所あり、灰に覆われた大都市の廃墟「古代都市」、空から落ちた岩の穴に霊廟が建てられた「落ちた星」、神託を下す巫女がいた神殿跡の「神託所」です。古代都市は、北にとっても南にとっても文化と信仰の誇りだと説明されています。
聖戦の結末は、どちらが勝つかで変わります。北が勝つと、南の者も聖地に入れますが、金色の神は古き神々に連なる数多の神の一柱にすぎないと認めることが条件になります。南が勝つと、北の者も聖地を訪れてよいものの、その地を治める総督に税を納めなければなりません。
どちらとも違うのが、古き神「ダヴクル」です。出自「ダヴクルの狂信者たち」では、団長は古き神ダヴクルに身を捧げた小さな信徒の群れを率います。ダヴクルはときおり生贄を求め、仲間の血を捧げると、異様な鎧が授けられるイベントもあります。古き神々の信徒と狂信者が殴り合う場面では、殴られている狂信者のほうが「ダヴクルは大いに喜んでおられる」と笑っていました。
古の帝国と、よみがえる死者
この大陸には、今の国々よりずっと前に「古の帝国」がありました。南の旅人の話によると、都市国家の書庫にある最も古い書には、さらに別の古い書のことが書かれているだけで、歴史がどこまでさかのぼるのか誰にも分からないそうです。各地に残る砦にも、見慣れない紋様や渦を巻くような石組みが残っています。
戦場で出会う古代の補助兵や古代の軍団兵は、この帝国の兵士のなれの果てです。終盤の危機「不死者の災い」では、団長が不思議な夢を見ます。夢の中で団長は帝国の皇帝として扱われ、そばにいる女が、子が死んで生まれた夜に「醜い男」がやってきたと語ります。男は二人の血と死んだ子の血と引き換えに、帝国を滅びぬものにして二人を永遠の支配者にすると約束したものの、それには代償があった、という話です。
世界には「黒い石碑」という伝説の場所もあります。真っ黒な石柱が禍々しい気を放ち、生あるものは誰も近づこうとしない場所だと説明されています。
緑肌と「数多の名の戦い」
オークとゴブリンは、まとめて「緑肌」と呼ばれます。会話によく出てくるのが、約 10 年前の「数多の名の戦い」です。オークが人の土地へ流れ込み、人間が軍を集めてこれを押し返した戦いで、契約の場面には、その戦いに出て片脚が木の義足になった老人も登場します。誓約者たちの開祖・若きアンゼルムも、この戦いで家族をオークに殺されたと伝えられています。
ふだんオークとゴブリンは別々に動いていますが、終盤の危機「緑肌の侵攻」では手を組みます。始まりのイベントで難民の男が「両方なんだ、手を組んでるんだよ」と訴える場面は、この危機の怖さをよく表しています。スクリプトを見ても、侵攻のあいだだけオークとゴブリンの勢力が同盟を結び、終わると同盟が解かれるようになっています。
荒野の獣と魔物
人の住む土地のはずれには、ダイアウルフやナッハツェーラー、ウンホルト、アルプ、リンドヴルムといった獣や魔物がうろついています。名前の多くは、ドイツの伝承に出てくる魔物の呼び名から取られています。こうした獣の討伐は傭兵の大事な稼ぎ口で、出自「獣狩りの一団」はそれを専門にする団から始まります。
傭兵団の物語
決まった物語がない代わりに、団の始まり方は出自で選べます。わずかな給金で戦ってきた団長が自分の団を立ち上げる「新たな傭兵団」、陣を抜け出した「脱走兵たち」、遍歴騎士がたった 1 人で旅を続ける「一匹狼」などです。どの出自でも、そのあとの物語は契約とイベント、そして団員の生き死にで決まります。各出自の特別なルールは出自(シナリオ)一覧にまとめています。
